カナヘビは、春から夏にかけて共寝をし、夏から秋にかけて産卵します。
カナヘビの卵は、鳥のように固い殻とは違い、皮のような、ゴムのような、弾力のある殻で覆われていて、色は乳白色。
大きさは縦の長さがおよそ1cmくらいの楕円形をしています。
一度に2〜7個の卵を産み、ひと夏のうちに数回産卵を行います。
産卵からどのくらいの時期に孵化するのか?
カナヘビの卵は、産卵後およそ45日(1ヶ月半〜2ヶ月)くらいで孵化します。
カナヘビの卵は、順調に成長すれば、産卵時の1.5倍〜2倍くらいの大きさまで殻が伸びて大きくなります。
孵化の時期まで成長した卵から、カナヘビの赤ちゃんが頭部についている卵歯という特別な歯で殻を破り顔を出すところは、とても可愛くて、思わず「がんばれ〜!!」と応援したくなります。
全体が現れるまでは、約1時間かかります。
カナヘビの赤ちゃんは、全長約5〜6cmで、500gに満たない体重ですが、見た目は小さな恐竜のようです。
だいたい1年経つ頃には、立派な成体に成長します。
気をつけることは?
カナヘビの卵は、黄身と白身の比率が、鳥の卵とは違います。
将来赤ちゃんに成長する胚を守るため、卵を別容器に移動させる時にはきちんと印をつけておき、上下を動かすことがないように気をつけます。
鳥の卵のように転卵すると、無事に孵化することが出来ません。
また鳥のように固い殻であれば、卵そのものに栄養と乾燥対策が機能として備わっています。
しかしカナヘビの卵には、栄養は配慮されていても、乾燥に対する機能が備わっていません。
ですから、カナヘビの卵が孵化するまでの間、決して乾燥することがないように気を配らないと、無事孵化することができないのです。
大きく成長しない卵や、カビなどが生えてしまった卵は、残念ながら孵ることはありません。
まとめ
自然界でもカナヘビは産卵後、卵の世話をすることがないので、「神様!お願い!」とでも言わんばかりに、本能的に湿度の高い、温度差の少ない場所を選んで産卵します。
産まれた卵も、他の虫や動物に食べられる危険もあるので、カナヘビは冬が来るまでに数回産卵を繰り返すのです。
乾燥や天敵など、危険がいっぱいの自然界で無事孵化するカナヘビは、本当にラッキーですし、無事孵化しても鳥や小動物といった天敵が、カナヘビを狙っています。
もし飼育しているカナヘビが産卵していたら、ぜひ孵化させて見て下さい。
可愛いながらも懸命に生きる、小さな命の尊さを感じてもらえると思います。