カナヘビをはじめとするトカゲ類には長い尻尾があり、切れてもまた再生させることができます。
これはどのような仕組みになっているのでしょうか。
カナヘビの尻尾について調べてみました。
なんで切れるの?
カナヘビは尾が切れてもまた再生させることができます。
トカゲやヤモリも同じです。
尾を切るのは、敵に捕まらないようにするためです。
ヘビなどの天敵が迫ってくると、長い尾を振って注意をそちらに惹きつけ、尾を切り離して逃げます。
この尾を切る行為を「自切」とよびます。
カナヘビの尻尾の骨には数カ所に切れ目が入っていて、筋肉を使って前後にひき、切り離すことができるようになっています。
筋肉が収縮するため、血はほとんど出ません。
大人のカナヘビより子どもの方が切り離しやすくなっています。
どれくらいで再生するの?
約50日で再生します。
10日目くらいには新しい尾の先っぽが、切れたところからみえてくるようです。
餌をたくさん食べると、それだけ尻尾に栄養が行きわたり、新しい尾もどんどん太くなっていきます。
尻尾は再生しますが、骨は再生しません。
新しい尻尾に入っているのは軟骨のため、伸びるのも速いようです。
30日を過ぎたあたりには元よりは短いですが、かなりのところまで再生します。
新しい尻尾の色は、元の色と同じとは限らず、若干変化するようです。
常套手段ではない?
再生するのだから気軽に切れると思いがちですが、再生した尻尾は元の尻尾と同じ長さにまで戻ることはありませんし、骨も元通りにはなりません。
尻尾を切るのは、本当に危険が迫ったときの最後の手段のようです。
特に尻尾の長いカナヘビ
カナヘビにもさまざまな種類がいますが、なかには胴体よりも長い尻尾をもつものもいます。
サキシマカナヘビというのもそのうちのひとつです。
日本産のカナヘビのなかで最も大きいといわれているカナヘビです。
全身きれいな黄緑色で、尾は非常に長く、全体で25~32cmの大きさがあります。
沖縄県でよくみられます。
ミナミカナヘビという中国やインドに分布するカナヘビも、尻尾が胴の3倍ほどもあるカナヘビです。
こちらは26~33cmの大きさのものが観察されています。
まとめ
便利なカナヘビの尻尾ですが、再生とはいっても完全に元通りというわけにはいかないようですね。
捕まえるときは、尻尾が切れてしまわないように、前足の付け根あたりを狙って上からつかむようすると良いようです。