責任を部下に押しつけて逃げ出す行為を「トカゲの尻尾切り」といったりもするくらい、トカゲ類の尻尾が切れては再生することは広く知れ渡っています。
カナヘビもトカゲの仲間で、やっぱり尻尾が切れても再生させることができます。
では、足ならどうなんでしょうか。
調べてみました。
手肢は再生できない?
尻尾を再生させることはできますが、手肢はできないようです。
というのも、カナヘビやトカゲは骨を再生させることができないからです。
尻尾も元通りになるかのようにみえますが、中は軟骨で代用されています。
また、元の尻尾よりはやや短くなり、色も変化するようです。
野外で見つけたカナヘビの尻尾が図鑑と少し違うとしたら、一度切れて再生された尻尾の可能性があります。
イモリなら再生できる
両生類のイモリは、は虫類のトカゲとは分類が大きく異なりますが、同じように尻尾を切って再生させることができます。
さらに、イモリは骨も再生させることができます。
そのため手肢も再生しますし、驚くことに目や脳の組織さえ元に戻すことができます。
しかし、イモリの仲間ならどの個体も同じ能力かといえばそうでもなく、年齢や環境によっても変化するようです。
比較的若くて栄養状態の良い個体の方が、再生能力が高いといえます。
また、怪我をした部位が再生しないままだった個体が、しかるべき施設で保護された後、無事に再生したという記録もあるようです。
再生能力の高いイモリは研究対象にも
手肢のみならず、脳、目、さらに心臓の組織までをも再生させることができるイモリは、当然のことながら医学界の注目の的となっています。
イモリの細胞を研究してヒトとの差を明らかにし、ゆくゆくはヒトの再生治療に役立てようと多くの研究者が奮闘しています。
イモリの再生能力をヒトの体で再現させることができれば、膨大な数の患者の改善につなげることができるでしょう。
まとめ
足の再生はイモリ類の特権のようですね。
カナヘビの手肢は再生しないので、怪我には気をつけてあげましょう。
もちろん再生するからといって雑に扱って良いわけではありませんが。
尻尾を切る行為も、本当に危険なときに使う最終手段のようです。
うっかり切ってしまわないように、カナヘビを捕まえるときは尻尾には触らず、前肢の付け根を狙って上から優しくおさえるようにしましょう。
持つときは首の横をつまむようにします。
力を入れすぎると息ができなくなってしまうので、気をつける必要があります。